Home > 事業案内 > 研究事業部 > 子どものこころ研究会編「中学生・高校生の自殺を防ぎこころの健康を守る ~精神科医から学校へのメッセージ~」
事例提供:髙岡昂太
この小冊子は、子どもの自殺は、どうやって理解したらいいか、どうしたら防げるかについて、精神科医の考えをまとめ、教育現場の先生方にお伝えする意図のもとに編纂されました。
編集作業の途中で、大津中学の事件が起きました。マスコミの報道やインターネット上で、いろいろな情報が飛び交いました。学校や、教師、教育委員会への非難糾弾が激しく、加害生徒と彼らの親に対するバッシングなども行われました。政府も「いじめ自殺」の対策に国をあげて取り組むと発表しました。
子どもの自殺をめぐり国中が熱くなったのは悪くなかったと思いますが、それによって、また新しく表層的な固定観念が生まれなかったでしょうか。
子どもの自殺は、簡単には理解できない、さまざまな要因が複雑にからんで起きる現象です。私たちが把握している子どもの自殺の特徴を、国民の多くの方に、特に教育現場の先生方に知っていただくことは、これからの「子どもの自殺防止対策」に役立つだろうと考えました。
現在の自殺対策には大きな限界があります。多少回り道をすることになっても、子どもの健康を守り、心を健やかに育てるためにはどうしたらいいかを考えることが、いちばんの対策ではないでしょうか。これについては、本冊子の後半で、この研究班の代表である吉川武彦が意見を述べ、いくつかの提案をしております。
今回の企画に携わっている精神科医の多くは、児童青年期の精神保健を専門にしています。しかし、私たちは、毎日ほとんどの時間を、診察室にこもって過ごしています。学校現場を訪れることはそんなに多くありません。先生方の職場のことをどこまでわかっているか、正直なところ自信はありません。見当はずれなことを言っていると感じられたら、どうぞ忌憚なくご指摘ください。
この小冊子がきっかけとなって、教育と精神医療のコラボレーションが進むことを期待しています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
羽藤邦利
「中学生・高校生の自殺を防ぎこころの健康を守る ~精神科医から学校へのメッセージ~」
をおわけします。
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