メンタルケア協議会とは

メンタルケア協議会の紹介

メンタルケア協議会の始まりから今日まで

 1999年8月に、浜田クリニックの浜田晋先生の呼びかけで都内の精神科診療所の精神科医が集まり、地域の精神科医療、保健、福祉を研究するグループ「地域メンタルケア研究会」を立ち上げたのが始まりです。
 浜田晋先生は、1974年に上野で精神科診療所を立ち上げ、保健師と協力して、長く地域の精神科医療活動を展開して来た大先輩です。「研究会」活動に留まらず、地域の精神科医療に役立つ事業を展開したいと考えて、2002年1月に「特定非営利活動法人メンタルケア協議会」に改組し今日に至ります。
 特定非営利活動法人となった年の7月に、東京都から委託されて「東京都精神科救急医療情報センター」を運営することになりました。夜間・休日に精神科救急受診を希望される都民の方の相談に乗り、救急受診が必要な方を救急当番の精神科診療所・精神科病院に繋げる業務です。
 その後、「東京都夜間こころの電話相談」、自殺対策の事業である「東京都自殺相談ダイアル~東京都こころといのちのほっとライン」、「相談ほっとLINE@東京(東京都の自殺防止のためのSNS相談)」、「東京都自殺未遂者対応地域連携支援事業~東京都こころといのちのサポートネット」ねっと」の運営を受託しています。
 その他にも複数の事業を受託運営しています。受託した事業を運営するために約200名の者が関わっています。精神保健医療福祉の専門職(精神科医、心理士、精神保健福祉士、OT)が中心ですが、社会福祉士、介護福祉士、ケアマネジャーも加わっています。さらに弁護士や会計士にも加わっていただいています。

メンタルケア協議会が行っている事業

 メンタルケア協議会は多数の事業を行っています。それらは似通った内容です。一口で言うと、「相談して来られた方のこころを支える」こと、そして「暮らしを守るための支援に繋げる」、このふたつを一体として行っています。
 私たちは、相談して来られた方について、どんなことで困っておられるのか、どんな事情があるのか、その方の得意不得意を、短時間に把握して、ご一緒にどうしたら良いかを考えて行きます。これは、一見簡単なことのですが、とても難しい仕事です。
 人は様々です。様々な方に合った相談を行えるように私たちは毎日修練しています。相談して来られた方の特を短時間に掴むために、人の心理についての勉強もします。相談してきた人に役立つ支援機関をご紹介出来るように、多種多様な支援機関についての勉強もします。相談している時間が半分、残りの半分は、内部での打ち合わせ、勉強(研修)、外部の支援機関との連絡調整に時間を費やしています。

メンタルケア協議会の組織の特徴

 私たちはメンタルケア協議会をひとつのシステムと考えて運営しています。相談の質を向上させるために、相談員がスーパーバイズをいつでも受けられる仕組み、ケース検討を多職種チームで行っています。定期的に、随時に行えるようにしています。事業毎に運営委員会を設けて運営しています。事務局でもって多種の事業を統括調整しています。事務局は人事管理や経理などの裏方の仕事もしています。理事会が組織全体の方針・方向を決めていす。
 私たちが一番力を入れているのは「内部研修」です。ひたすら研修を行っています。初任者研修、個別指導、研修会(全体研修、事業別研修)などです。
 事業の殆どは委託事業ですので、事業毎に委託元の担当課との会議や委員会で事業の有り方について調整しています。それ以外に、自殺対策事業につては、外部委員で構成された「アドバイザリーボード」を設けて、助言指導をしていただいています。また、研究事業を適切に行うために「研究倫理委員会」を設けています。

これまでの蓄積を活かしたい

 東京都精神科救急医療情報センターではこれまで23万件、東京都夜間こころの電話相談で19万件、東京都自殺相談ダイアルで20万件、東京都自殺未遂者対応地域連携支援事業で1500件を取り扱ってきました。長年、地域の様々な社会資源と連絡を取り合い、関係を築き上げてきました。研究事業や内部研修のために収集し資料やデータを蓄積しています。これまでの蓄積を活かせることがメンタルケア協議会の大きな特長です。蓄積している膨大なデータを分析して情報発信して行くことも行って行きます。

メンタルケア協議会がこれから目標にしていること

 相談して来られた方の思いにうまく応えられる組織であり続けることが私たちの基本的な目標です。基本目標を追求し続けながら、目下、構築が進められている「地域包括ケアシステム」で、“地域の中の”役立つ結節点”になって行くことを当面の目標にしています。