Home > 事業案内 > JAMシンポジウム > 2004.01 ミニシンポジウム
※通訳が付きます
新障害者プランがスタートし、病院中心から地域中心にシフトすることが明確な目標となっています。しかし地域の中で精神障害者をサポートして行くのに、日本では「重症なケースに対応出来るサポートシステム」と「精神科救急のシステム」の整備が遅れています。このうち「重症なケースに対応するシステム」は、おそらく訪問型のサポートを軸にしたものになる筈ですが、私たちはまだ具体的な形を創り出せないでいます。
アメリカ、英国、オーストラリアでは、重症者を対象とする、多職種チームによる訪問型サポートシステムであるACTが良い成果を上げているようです。昨年来、日本でACTへの期待が一気に高まり、沢山の人がACTの現地を詣で、また彼の地でACTを中心になって担っている方を日本に招いて講演会を開催しています。メンタルケア協議会でも去る6月30日にシンポジウム「新障害者プランとACT~ACTは日本でも切り札になるのだろうか~」を開催し、沢山の方が参加されました。
しかし、高い関心を集めているACTですが、知れば知るほどに分からない部分が出てきます。例えば、アメリカでACTの対象になっている人たちと日本で地域のサポートを必要としている人たちは、病状や生活が違うのではないかといった疑問です。彼の地でのACTの実情をもう一度捉え直す必要があるように思います。そこで、今回、トロントでACTを中心で担っておられる二人の方をお招きし、じっくり、詳細にお話をうかがう企画を立てました。
穂積 登(メンタルケア協議会理事長 ほづみクリニック院長)
※通訳がつきます
大嶋正浩(NPO遠州精神保健福祉をすすめる市民の会理事 メンタルクリニック・ダダ院長)
トロント大学精神科主任教授
マウント・サイナイ病院チーフ精神科医
トロント大学医学部卒業後、1973年カナダ王立医学会精神科会員。1996年聖ヨハネ社会復帰病院医師となり、1999年マウント・サイナイ病院ACTチームを開設した。老人の精神療法や人格障害治療の第一人者でもある。
マウント・サイナイ病院ACTチームプログラムマネジャー
1986年香港大学社会科学系修士卒、1988年にブラントフォード総合病院にソーシャルワーカとして勤め、1991年にトロントの聖ジョセフ健康センターに転職、1999年からマウント・サイナイ病院、地域精神健康プログラムACT(Assertive Community Treatment)チームのプログラムマネジャーとして精神障害者の方々の生活と医療などをサポートする分野で活躍中である。