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第14回シンポジウム

急速に変貌している精神科医療と精神保健福祉法の改正
~精神障がい者の権利をどう守るか~

第14回シンポジウム 急速に変貌している精神科医療と精神保健福祉法の改正 ~精神障がい者の権利をどう守るか~

日 時
2013年623日(日) 13:00 - 18:00
会 場
SYDホール
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-25-2  (JR代々木駅 西口より徒歩5分)
定 員
250名
参加費
会員 : 無料   一般 : ¥2,000
懇親会
一律 : ¥2,000

精神科医療が急速に変わりつつあります

 精神科病院では、平均在院日数が短くなり、在院患者数も減少しています。重装備の精神科救急入院料算定病棟(スーパー救急病棟)は85病棟を超えました。精神科診療所や訪問看護も増えました。

 しかし、退院時のリハビリや退院後の生活を支援するサービスとの連携が不十分だったために、すぐ再入院してしまうケースも増えています。また、“自傷他害の恐れ”で警察官通報(24条通報)する件数が増加しています。通院している以外は引きこもっている人が50万に近くと膨大で、家族の負担は大きいままです。

精神保健福祉法の改正で患者の利益が守られるのでしょうか

 精神保健福祉法の改正案が国会に上程されました。医療保護入院の保護者制度が廃止され、家族のうちのひとりの同意で済ませられます。移送制度も強化されます。医療保護入院がこれまでよりも行いやすくなりそうです。

 退院については、精神科病院が「退院後生活環境相談員」を指定し、「地域援助事業者」を家族などに「紹介」することになっています。これまでの「地域移行支援事業」では恒例であった、地域の関係者が集まる「ケース会議」はなくなるのでしょうか。

 大きな改正です。患者の利益や権利をどう守るかが問われます。

 精神科医療が急速に変わりつつある中で、今回の精神保健福祉法改正の持つ意味は何なのか、精神科医療をいっそう充実し、患者さんや家族の生活や権利を守るにはどうしたら良いか、多角的な視点で論じてみたいと思います。

最近の精神科医療の変化(厚労省平成22年630調査などから)

施設・制度 2000年→2010年
精神科病院 精神科病院在院患者数 92.3%
平均在院日数 77.1%
新入院患者数 107.9%
2003年→2010年
精神科診療所 精神科診療所数 158.9%
精神科デイケア等利用者数 175.0%
1999年→2009年
行政措置 24条通報件数 229.5%

第14回シンポジウムは盛会のうちに終了いたしました。
多数のご参加、まことに有難うございました。

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第14回シンポジウム プログラム

【座長】 羽藤 邦利西村 隆夫

12:30
受付開始
13:00~
開会挨拶

メンタルケア協議会理事長 羽藤 邦利

13:05~13:45

第1部 最近の精神保健医療福祉施策の動向と
精神保健福祉法の改正

厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神・障害保健課
友利 久哉

《休憩10分間》

13:55~15:20

第2部 急速に変貌しつつある精神科医療

都立松沢病院が進めている改革について

都立松沢病院院長 斎藤 正彦

スーパー救急病棟の果たす役割と課題について

千葉県精神科医療センター 平田 豊明

統計数字から見る最近の精神科医療動向

メンタルケア協議会 西村 由紀

《休憩10分間》

15:30~16:25

第3部 精神保健福祉法改正、
患者の権利擁護の在り方を考える

国連原則、各国の“精神保健福祉法”、今回の法改正

東洋大学教授 白石 弘巳

精神障害者地域生活支援から見る患者の権利擁護の課題

多摩在宅支援センター円 寺田 悦子

《休憩10分間》

16:35~

第4部 ディスカッション
~事例から考える、地域の受皿をどう創るか、精神障がい者の権利をどう守るか~

パネラー:第2・3部シンポジスト

指定発言:家族の立場から

東京つくし会 眞壁 博美

指定発言:精神医療審査会の実情と課題

吉澤法律事務所 吉澤 雅子

17:55~18:00
閉会挨拶

メンタルケア協議会前理事長 穂積 登

18:00~
懇親会〔SYDホール ホワイエ〕

講師プロフィール

友利 久哉 (ともり・ひさや)

(厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神・障害保健課 課長補佐)

2011年 精神・障害保健課 配属。

斎藤 正彦 (さいとう・まさひこ)

(精神科医/都立松沢病院院長)

1980年3月東京大学医学部医学科卒業。1980年12月東京大学医学部付属病院精神神経科医員(研修医)。1982年4 月東京都立松沢病院精神科医員。1985年9月同研究休職、ロンドン大学精神医学研究所、研究員。1986年10 月東京都立松沢病院に復職。1991年6月東京大学医学部精神医学教室講師。1998年6月慶成会老年学研究所代表・青梅慶友病院副院長。2000年7月新宿一丁目クリニック・ユリの木クラブ開設、院長。2005年4月よみうりランド慶友病院副院長。2006年8月翠会和光病院顧問。2006年10月翠会和光病院院長。2012年都立松沢病院 院長。

平田 豊明 (ひらた・とよあき)

(精神科医/千葉県精神科医療センター長)

1977年3 月千葉大学医学部卒業。同年6月銚子市立病院医員。1984年8月千葉県衛生部精神科医療施設準備事務所。1985年6 月千葉県精神科医療センター医長。2000年4 月千葉県精神科医療センター診療部長。2006年7月静岡県立こころの医療センター院長。2012年4 月千葉県精神科医療センター長。

西村 由紀 (にしむら・ゆき)

(精神保健福祉士/メンタルケア協議会理事)

1990年東北大学理学部卒。東北大学大学院理学研究科博士課程修了。メンタルケア協議会の法人設立を手伝い、東京都精神科救急医療情報センター、東京夜間こころの電話相談、東京都自殺相談ダイヤルの立ち上げに携わる。

白石 弘巳 (しらいし・ひろみ)

(精神科医/東洋大学ライフデザイン学部教授)

1953年生まれ。東京医科歯科大学大学院修了。専門は精神医学、精神保健学。東洋大学ライフデザイン学部教授、東京都精神医学総合研究所客員研究員。総合失調症の診療や精神保健福祉の法制度などに関する調査研究に従事。

寺田 悦子 (てらだ・えつこ)

(看護師・精神保健福祉士/介護支援専門員 多摩在宅支援センター円理事長)

公立病院・民間精神科病院で10数年間看護師として勤務後、1986年友人達と「共同作業所棕櫚亭」を開設。1997年(社福)多摩棕櫚亭協会にてピアス・生活支援センターなびぃ勤務。2005年NPO法人多摩在宅支援センター円を立ち上げ、訪問看護ステーション円(八王子市)開設。2007年独立型精神科訪問看護ステーション元(立川市)開設。その後、グループホーム・地域活動支援センター等開設。

眞壁 博美 (まかべ・ひろみ)

(東京つくし会)

東京学芸大学教育学部数学科卒業後、28年間東京都小学校教員を務める。1989年4月「立川精神障害者家族会(通称:立川麦の会)」を立ち上げ、会長となり現在にいたる。2005年度より東京都精神障害者家族会連合会の理事となる。2007年5月特定非営利活動法人(現在は公益社団法人)全国精神保健福祉会連合会の立ち上げに関わり、5年間理事を務めた。

吉澤 雅子 (よしざわ・まさこ)

(弁護士/吉澤法律事務所所長)

1969年京都大学法学部卒。東京弁護士会所属。日弁連高齢者・障害者の権利に関する委員会および東京弁護士会高齢者・障害者の権利に関する特別委員会において精神障がい者の権利に関する問題に関わる。精神医療審査会審査委員を経験。

西村 隆夫 (にしむら・たかお)

(精神科医/にしむらクリニック院長)

1980年3 月筑波大学医学専門学群卒業。同年4月国立武蔵療養所研修医(現・国立精神神経医療研究センター病院)。1982年4 月神戸大学医学部精神神経科教室。1983年4 月国立武蔵療養所医員。1985年4 月にしの木診療所勤務。1987年5 月三ヶ島病院勤務。1992年5 月都立松沢病院精神科。1993年5 月都立多摩総合医療センター(旧府中病院)精神科部長。2012年10 月にしむらクリニック開設。

羽藤 邦利 (はとう・くにとし)

(精神科医/メンタルケア協議会理事長)

1967年京都大学医学部卒。東京大学付属病院、富士病院、東京都立松沢病院、法務省八王子医療刑務所を経て、1983年代々木の森診療所開設、現在理事長。その他、日本精神衛生会理事、日本精神神経学会理事、東京精神神経科診療所協会理事などを兼務。

会場案内

SYDホール

東京都渋谷区千駄ヶ谷4-25-2 (JR代々木駅 西口より徒歩5分)

お問合せ

特定非営利活動法人 メンタルケア協議会
〒151-0053 東京都渋谷区代々木1丁目57番4号 ドルミ第2代々木 2F
TEL:03(5333)6446 メールはこちら

ポスター・パンフレット (PDF)


ポスター

(PDF: 324KB / A3)

パンフレット

(PDF: 1.67MB / A3 2折)